新生火様の誕生
「火様」は一般社団法人能登火様の守り人が管理し、万が一の事態に備えて七尾市、珠洲市、金沢市の三か所で守られ、燃えていました。しかし、令和6年(2024年)1月1日の地震により、直後に七尾市と金沢市の「火様」が消え、震災後の混乱の中で1月19日に珠洲市の「火様」も消えるに至りました。この地震がいかに巨大であったかを物語っています。江戸時代から300年以上に亘って燃え続けていた「火様」が消え断腸の思いです。
北國新聞 令和6年1月6日
「火様」は消えてしまいましたが、能登の風土文化である「火様」の風習は守りたいという声が多方面より寄せられ、当法人としても「新たな火様」を熾し、「火様」の風習を継続していくことを決断しました。「火様」はただの火ではありませんので「新生火様」が満たす要件を下記のように決めました。
<「新生火様」の要件 >
① 自然の火であること
② 「火様」に所縁のものを用いること
③ 実直で忍耐強い能登人の精神を込めること
令和7年(2025年)4月6日(日)、珠洲市の大野製炭工場にて「新生火様」火熾しの儀が行われました。大野長一郎氏が古式に則り摩擦で火を熾し、同氏が保管していた「火様」で焼かれた炭に点火して「新生火様」が誕生しました。火熾しの儀に立ち会った人々は、「新生火様」には間違いなく「実直で忍耐強い能登人の精神」が込められていると確信し、感動しました。
北國新聞 令和7年4月7日
中日新聞 令和7年4月7日
「新生火様」はこれからも七尾市、珠洲市、金沢市で守られ燃え続けていきます。
北國新聞 令和7年8月16日